肘関節痛を防ぐために、今すぐできる5つのシンプルな習慣とは?

☘️あなたの肘、実は悲鳴を上げてるかも

「昨日ハッスルした記憶はないのに、朝起きたら肘がズキッ…」

そんな体験、ありませんか?

私自身、柔道整復師として30年以上、肘の痛みに悩む方々を診てきました。

そして分かったのは…肘関節の痛みは“日常の何気ないクセ”が積み重なって発症するということ。

今回は、私の運動指導や接骨院での実体験を交えながら、

肘関節痛を未然に防ぐためのリアルで実践しやすい「5つの習慣」をお伝えします。

①【姿勢を整える】

〜猫背のあなた、肘が泣いてます〜

デスクワークの学生、パソコンを前に何時間も格闘する会社員、スマホを手放せない現代人。

姿勢が前かがみになると、肩が内側に入り、肘への負担が倍増します。

バスケット部の高校生に多かったのが、シュートの反復練習後に起こる「肘の引っかかり感」。

この原因、多くは“肩が前に入りすぎ”による肘のアライメント異常でした。

【今日からできる姿勢改善】

・座るときは骨盤を立てて、背筋をスッと。

・肘は90度、手首と同じ高さにセット。

・1時間に1回は、胸を張って肩甲骨を寄せるストレッチを。

ちょっとした姿勢の工夫で、肘が「ありがとう」と言ってくれる気がします(笑)

②【こまめなストレッチ】

〜肘関節、しなやかに保ててますか?〜

高校野球部のピッチャーだった生徒が、「肘の外側が痛い」と訴えてきたことがありました。

聞けば、投球後のクールダウンを怠っていたと。

肘まわりの筋肉や腱をケアしないまま負荷を重ねると、あっという間にトラブルの元です。

特にピッチャーのように繰り返し強いストレスが加わる場合、ストレッチの有無で選手生命が左右されることさえあります。

これはスポーツだけの話ではありません。

接骨院に通うデスクワーク中心の患者さんでも、

「マウスのクリックが続くと肘の内側がジンジンする…」という方がよく見られます。

そんな方にすすめているのが、“ながらストレッチ”。

【簡単ストレッチ例】

1. 手のひらを上にして腕を前に伸ばし、反対の手で指先をゆっくり反らせる

   →この動きで前腕の屈筋群(特に橈側手根屈筋や円回内筋)を緩めます。

   特にキーボードを多用する人、包丁をよく使う主婦の方に効果的。

2. 手のひらを下にして同様に反らせる

   →今度は前腕伸筋群(特に長橈側手根伸筋や総指伸筋)がターゲット。

   テニス肘(外側上顆炎)の予防・ケアとしても重要。

3. 肘を支点に、腕全体を前後に10回ずつゆっくり回す

   →肩甲帯や上腕三頭筋、回旋筋群にも刺激が入り、肘単体でなく「連動する全体の動き」が良くなります。

   これを“エア野球投球”と名付けて、高齢者のスポーツ教室でも活用しています。

☘️実践ポイント:

・ストレッチ中は息を止めないで!

・「ちょっと気持ちいい」と感じる範囲でOK。

・左右どちらも、必ず同じように行う。

・朝起きた直後/仕事の合間/寝る前など、自分の生活リズムに合わせて習慣化。

☘️時間の目安:

1回30秒〜1分の動作を、1日3〜4回が理想。

テレビCMの間や、風呂上がりの数分で十分です。

🗣️通院患者さんの声:

「最初は半信半疑でしたが、1週間で腕の重さが変わりました」

「夜中にうずいていた肘が、あまり気にならなくなった」

継続こそが、肘を守る最短ルート。

これ、本当に実感しています。

③【肘を支える筋力づくり】

〜ムキムキじゃなくてOK、肘のガードマンを育てよう〜

体操教室で高齢者の受講者の方で、

肘を動かすたびに「痛い…」と顔をしかめる方がいらっしゃいました。

実際、筋力の低下で肘関節が不安定になっていたのが原因でした。

【肘周りの簡単トレーニング】

・500mlのペットボトルを使ったゆっくりのカール運動(上腕二頭筋)

・タオルを握って5秒キープ×10回(握力と前腕の安定力UP)

・壁に向かって肘を使わないプッシュアップ(胸筋と肩の連動強化)

これで「肘が支えられてる感じ」が実感できますよ。

④【休憩を入れる】

〜肘の悲鳴に気づいてあげて〜

ある理学療法士の先生が、

「肘関節痛の半分は“サボり下手”が原因」と話していました。

集中力が高い人ほど、同じ姿勢・同じ動作を何時間も続けてしまう。

その結果、血流が悪くなり、筋肉が硬直。

肘関節がそのツケを払わされることに…。

私が接骨院でよく見るのは、パソコン作業に熱中して

「気づいたら4時間、椅子から一歩も動いてなかった…」という方。

その多くが、前腕の張りや肘のだるさを訴えています。

また、スポーツ専門学校の授業で学生にアンケートを取ると、

「長時間のノート取りやPC作業で右肘がガチガチになる」と回答するケースも。

これ、現代病といっても過言ではありません。

🛑 なぜ“休憩”が肘の救世主になるのか?

📌 筋肉の酸欠を防ぐ!

長時間動かないことで、筋肉内の毛細血管の血流が低下。

酸素や栄養が届かず、疲労物質も排出されにくくなります。

結果、「動かしてないのに痛い…」という不思議な痛みが発生。

・神経の圧迫を避ける!

長時間同じ姿勢で肘を曲げていると、尺骨神経が圧迫されることも。

いわゆる“肘のしびれ”や“だるさ”の原因です。

肘を少し伸ばすだけでも負担が激減するんです。

・姿勢リセットで肩〜肘の連動が改善!

前かがみ姿勢が続くと、肩甲骨が開き、肩が内旋。

この状態が長く続くと、肘の可動軌道にも狂いが出てしまいます。

一度立ち上がって姿勢をリセットするだけで、連動性が大幅に改善。

💡【おすすめの休憩法】

🔹 ① 手をぶらぶらして脱力(30秒)

→「脱力ブラブラ体操」と私が呼んでいる定番ケア。

腕をダラーンと下げて、肘・手首・指までユルユル〜。

前腕の筋膜リリース的な役割も果たします。

🔹 ② 肩と肘を大きく回す(前後各10回)

→いわゆる“エア水泳”。肩甲骨が動くと、肘もスムーズに!

私のスポーツ教室でも人気のウォームアップ。

肘を支点にするというより「肩から動かす」意識がコツです。

🔹 ③ デスクから一度立ち上がって深呼吸×3回

→呼吸を深めると副交感神経が優位になり、筋肉が自然とゆるみます。

腹式呼吸で「肘の内側に風を送る」ようなイメージでやると面白いですよ。

🔹 ④ 肘を優しくさする or マッサージ

→私はよく「肘にもねぎらいを」と言います(笑)。

手のひら全体で肘頭を包み、円を描くように10〜20回マッサージ。

痛みがある方にはホットタオルも併用で。

・休憩タイミングの工夫

・スマホのタイマーで“肘リマインド”を1時間おきに

・お気に入りの音楽やコーヒータイムとセットにして「肘時間」を習慣に

・複数人で働いている職場では“休憩リーダー制度”を作ると◎(←高齢者施設でも実践中)

🗣️スポーツ現場での一コマ:

高校バスケ部の練習中、肘を酷使していた選手に「一度水分補給ついでに腕を回して」と指示。

たったそれだけで、「あれ?肘が軽い…」と表情が変わったのを今でも覚えています。

まとめ:休憩は“サボり”じゃなくて“戦略”!

肘の悲鳴は、放っておくとやがて怒号に変わります。

でも、1時間に1度のちょっとした“いたわりタイム”で

その声を聞き取れるようになります。

✅ 今日から始めるリセット習慣

・手をブラブラ〜っと脱力!

・肩と肘をくるくる回してリズムUP!

・深呼吸で気持ちまでほぐす!

・スマホやPCを閉じて、1分だけの“肘のための時間”を。

「肘が軽くなるって、こんなに気持ちいいんだ…」

そんな体感、あなたにもぜひ味わってほしいです。

⑤【温活で血流アップ】

〜肘は冷えるとゴキゴキになる〜

冬場、肘が固まるような感覚を訴える患者さんが急増します。

冷えによって血流が滞ると、筋肉も腱もカチカチになりがち。

そんな時、私がアドバイスするのは「ぬくぬく習慣」。

【肘温め習慣】

・湯船に15分以上浸かる+肘まわりのマッサージ

・冷房の効いた部屋ではアームウォーマーを着用

・寝る前にホットタオルで肘を優しく温める

「これだけで、動きが全然違う!」という声を、何度も聞いてきました。

:肘は日々の積み重ねで守れる!

肘関節痛は、スポーツ選手だけの悩みじゃありません。

スマホユーザー、デスクワーカー、育児や家事でフル回転のお母さん。

みんなが、知らず知らずのうちに肘を酷使しています。

だからこそ、

・姿勢を正す

・ストレッチでほぐす

・筋力で支える

・休憩で緩める

・温めて守る

この5つの習慣を、今日から1つでも取り入れてみてください。

あなたの肘が「ありがとう」と言ってくれる日が、きっと来ます。

予防 prevention
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管理人
高山 慶市

接骨院(柔道整復師)の道に足を踏み入れてから、あっという間に35年。
この間に取得した資格は山のよう。柔道整復師はもちろん、スポーツトレーナー、ケアマネジャー、テーピング、リハビリや治療に関する資格も取り揃えていて、その数は我が家の洗濯物の山と良い勝負です(笑)。

トレーナーとしては、陸上競技・サッカー・バスケットボール・野球と、さまざまな競技の現場に立ち会ってきました。高校のグラウンドや体育館で、選手のケガや疲労に向き合ってきた日々は、今でも私の財産です。

そんな経験を活かして、当院ではケガの応急処置からリハビリ、競技への復帰までをトータルでサポート。もちろん、スポーツとは無関係な日常の「ちょっと痛い」「なんだか重い」も、しっかり診ています。

そして最近は、ブログでも情報を発信しています。
その名も《イキイキ!生活改善ラボ》!
運動・休養・栄養・予防の4つを柱に、「自分の体をもっと大切にしたくなる」そんなきっかけになる記事を書いています。

実はこのブログ、コロナ禍で外出が難しくなったとき、「来られない患者さんにも何かできないか」と思ったのが始まりなんです。
そこから、自分の経験や現場のエピソードを交えて、健康情報を届けることが楽しくなってきました。

「ここに来ればなんとかしてくれる」「この人の言うことならちょっと試してみよう」
そんなふうに思ってもらえるように、院でも、ブログでも、YouTubeでも、インスタでも、地域の“かかりつけ”として皆さんの元気を支えていきたいと思っています!

新潟県新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院

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