~ぐっすり眠れないあなたへ贈る、眠りの回復メソッド~
「休日こそ爆睡したい!」でも、なぜか眠れない人へ
「平日は毎日5〜6時間の睡眠、週末こそたっぷり寝るぞ!と思っていたのに、なぜか目が覚める…」
そんな声、よく聞きます。実は私自身もそうでした。柔道整復師として日々患者さんに「休養も治療の一部」と伝えておきながら、自分の睡眠管理はおろそかにしていた時期があるんです。
トレーナーとしてサッカー部の試合に帯同したある日。早朝から車移動、炎天下のピッチ、ベンチとグラウンドを何度も往復。選手たちのテーピングやストレッチに集中していたはずなのに──気づけば、頭がぼんやりしてきたんです。
しゃがんだ瞬間、視界の端がチカチカ。立ち上がると軽くクラッときて、「あれ?今、自分がケアされる側かも…」と一瞬よぎりました。
顔に汗はかいてるのに、なんとなく冷たい。心拍もいつもより速く感じる。集中しているはずなのに、言葉がスッと出てこない。そのときは「ちょっと疲れてるだけ」と思っていましたが、今考えれば完全に“睡眠負債”が限界を迎えていたんでしょうね。
「睡眠負債」って、何が問題?
“睡眠負債”とは、必要な睡眠時間に対して実際の睡眠が足りない状態が積み重なっていること。
寝不足が続くとどうなるか?
・判断力や集中力の低下
・慢性的な疲労感
・筋肉の修復遅延や免疫力の低下
・自律神経の乱れ
・高血圧、糖代謝異常、うつリスクの上昇
──など、想像以上に体も心もボロボロに。

スポーツ選手の中には、「ケガをした翌週も回復しない」というケースがありますが、実はこの“睡眠負債”が回復の妨げになっていたりするのです。
【ある往診先でのエピソード】
ある80代の歩行困難の女性。筋力の低下が著しく、「日中ウトウト、夜も浅い眠りが続いている」と家族から相談を受けました。
そこで私は、昼寝のタイミングと照明環境を見直し、「午前中に少し外光を浴びる」よう提案。加えて、ラベンダーのアロマを使ったリラックス習慣を導入。
すると2週間後、「夜ぐっすり眠れたのよ」と笑顔が戻ったんです。身体機能の改善より、まず“眠れる体”に整えることが回復の第一歩なんですね。
【週末リセット】実践したい!睡眠負債を解消する休日プラン
① 朝寝坊NG!いつもより30分だけ長く寝る
寝不足を取り戻そうとして、昼近くまで布団にいる──これは逆効果。体内時計がズレて、かえって日曜夜に眠れなくなります。
おすすめは「平日より30〜60分長く寝る」くらいにとどめること。
私の経験では、午前7時に起きて、ベランダで5分ほど深呼吸しながら朝日を浴びると、夜の眠りが格段に深くなります。
② 二度寝は“座った姿勢”での10分以内が理想
うっかり二度寝で1時間…これも睡眠リズムを乱す原因。
でも「あとちょっとだけ寝たい!」という気持ち、わかります(笑)
そんなときは、椅子に座って目を閉じる「擬似うたた寝」がおすすめ。10分以内の軽い休息でも、脳はかなりリフレッシュされます。これ、私が講師をしていた専門学校の授業でも学生に大人気の方法でした。
③ 午後の“昼寝”でリカバリー:20分でOK
「午後3時まで」「20分以内」「横になりすぎない」
これが、疲労回復に効果的な昼寝の三原則。
かつて高校野球部の合宿で、選手たちに昼寝の習慣を入れたところ、午後練の集中力が明らかに上がったんです。あるピッチャーは、「毎日が決勝戦並みに動けるようになった」と言ってました。
昼寝が“リセットスイッチ”になるんですよ。
【夜の習慣】休日こそ、質の高い眠りを仕込もう
④ 入浴は「ぬるめ・長め」がカギ
41℃以下の湯船に15〜20分。これが副交感神経を優位にし、深い眠りを導いてくれます。
私は夜、入浴時にiPadを防水ケースに入れて好きな音楽を流しながらの“風呂瞑想”を習慣にしています。心がゆるんで、布団に入るころにはもう夢の中(笑)

⑤ 寝る前スマホ、どうしても見たいなら…
本音を言えば「見ないほうがいい」です。でも、見ちゃうよね(笑)
そんな方には「スマホ用ブルーライトカットフィルター+就寝90分前まで」が現実的。
患者さんで「就寝前のスマホをやめたら、夜中のトイレも減った」と言っていた方がいました。睡眠ホルモン・メラトニンの分泌がスムーズになった証拠です。

⑥ 寝酒より“寝前スープ”
お酒で眠くなる? それは“浅い眠り”のサイン。
寝る前におすすめなのは「ホットミルク」「しょうが入りの味噌スープ」「ゆるい雑炊」。血糖値の急降下を防ぎ、リラックス神経を刺激してくれます。
【翌朝】月曜を軽やかに始める準備
週末にリセットできたら、月曜の朝は「ちょっといい朝ごはん」を。
納豆+卵+温かい味噌汁+少しの果物。これだけで脳と体が一気に起き上がります。
以前、往診先の70代の女性患者さんがこう話してくれたんです。
「最近ね、朝に施設で出される味噌汁と卵をしっかり食べるようにしたら、昼間ウトウトしなくなったのよ。不思議ねぇ、食べ方ひとつでこんなに違うのね」
その方は長年「朝は食欲がなくてお茶漬けだけ」だったのですが、睡眠の質を上げたいということで、朝食をたんぱく質多めに変えるようアドバイスしてみたんです
すると、寝起きのダルさが軽くなり、午前中の活動量もアップ。やっぱり、良い眠りには“夜だけ”じゃなく“朝の準備”も大事なんだなと、あらためて感じた出来事でした。
【まとめ】眠りを“週末で整える”という新習慣
平日は忙しい。寝る間も惜しい。でもだからこそ、週末に“眠りの棚卸し”をしておく。
私はこの「週末リセット」を取り入れてから、仕事の集中力も、施術中の判断力も明らかに上がったと実感しています。
睡眠は、体を休めるだけじゃなく、心のメンテナンスでもあるんです。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市