体が冷えるのは「年のせい」じゃない!
「先生、冬になると足先が氷みたいに冷えるんです」
接骨院でよく聞く言葉です。
でも、実は“年齢のせい”ではありません。
ある日のこと。
高校サッカー部の男子が「最近、足が冷たくてシュート感覚が鈍るんですよ」と相談に来ました。
18歳でも冷える。つまり、冷えは“老化”ではなく、“血流と筋肉の使い方”の問題なのです。
筋肉は「体のストーブ」
人間の体で最も熱を生み出すのは「筋肉」です。
特にふくらはぎ、太ももやお尻、背中などの大きな筋肉がしっかり動くと、血液がポンプのように巡ります。
私は往診先の寝たきりのおばあちゃんにも、毎回「太ももを少しでも動かそうね」と声をかけています。
寝たままでも太ももを少し上げたり、足首を動かすだけで体温が0.3℃上がる人もいます。
これは筋肉が動くことで血流が改善し、“体のストーブ”が点火するからです。
運動不足で「体温が1℃下がる」?
日本人の平均体温は戦後より約0.7℃下がっているという報告があります(※環境省「日本人の体温調査」より)。
理由の一つは、筋肉量の減少。
つまり、現代人は「暖房は強いのに、体のストーブは弱い」状態です。
特に女性は、筋肉量が男性より少ないため、冷えやすい傾向にあります。
でも安心してください。ジムに通う必要はありません。
立ち上がる回数を増やす、通勤で一駅歩く、それだけでも筋肉は「使われている」と感じてくれます。
血流を止める“クセ”に要注意!
冷え性の方の共通点、それは「姿勢の悪さ」。
デスクワーク中に猫背になっていると、胸やお腹が圧迫され、血液の循環が滞ります。
血は心臓から足へ、足から心臓へと巡回していますが、その“帰り道”をふさぐ姿勢を続けてしまうと、
いくら温かい靴下を履いても根本解決にはなりません。
私の接骨院でも、「肩こりで来たけど、実は足の冷えが原因」というケースはよくあります。
血流は全身ネットワークです。肩こりも、足の冷えも、同じ“渋滞”の結果なのです。
高齢者運動教室で気づいた「笑いと血流」の関係
以前行っていた高齢者向け運動教室。
ある日、体操の途中で私が冗談を言ったら、皆さんが大笑い。
その後、手足がポカポカしてきたと口々に言われました。
笑うと横隔膜(お腹の筋肉)が大きく動き、血流が一気に活発になります。
“笑いは副交感神経を優位にし、末梢血管を拡げる”という報告もあります(大阪大学医学部研究より)。
つまり「笑い」も“内側からの温活”なのです。
食事と血流の関係も忘れずに
栄養面では「タンパク質」「鉄」「ビタミンE」が冷え対策の三本柱です。
タンパク質は筋肉の材料、鉄は血を運ぶトラック、ビタミンEは血管を柔らかく保つ役割があります。
特に朝食抜きが習慣になっている人は要注意。
朝に食べないと筋肉が働かず、代謝スイッチが入らないため、1日中“冷えモード”で過ごすことになります。
私自身、昔は朝をコーヒー1杯で済ませていました。
ところがある日、朝に卵と味噌汁を摂るようにしたら、
午前中の冷えと肩こりが激減。
「栄養って、こんなに体にダイレクトに効くのか!」と驚いたものです。
冷えない体を作る3つの行動習慣
① 朝の“3分スクワット”で点火!
布団から出てすぐ、深呼吸しながら10回の手首回し、肩回し、足首まわし、膝曲げ伸ばしそしてスクワット。
それだけで筋肉が温まり、全身の血流が動き出します。
※膝や腰に不安がある方は、椅子を使っての立ち座りスクワットでOK。
② “ながら足首回し”で血流を保温
テレビを見ながら、歯磨きしながら、足首を回す。
ふくらはぎの筋ポンプが働き、まるで“血流ポンプ”が再稼働します。
③ “湯船+深呼吸”でリセット
お風呂は40℃前後で15分。
鼻から吸って、口からゆっくり吐く腹式呼吸をしながら入ると、自律神経が整い、血管がゆるみます。
お湯よりも「呼吸」の効果が大きいと感じる患者さんも多いです。
最後に:冷えは「我慢するもの」じゃない
冷えは「性格」でも「体質」でもなく、“体のメッセージ”です。
「もう少し動かして」「血を巡らせて」と、あなたの体が教えてくれています。
私はこれまで、アスリートから高齢者まで、冷えと向き合ってきました。
共通するのは、「動かした分だけ、体は応えてくれる」ということ。
あなたの体は、今日からでも変わります。
筋肉と血流が動けば、心までポカポカしてきます。
さあ、ストーブは部屋じゃなく、自分の中にあるんです。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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次回の記事では、「寝ても疲れが取れない人のための“休養のリセット法”」を予定しています。
気になる方はブックマークしておいてくださいね。


