〜臨床現場とスポーツ現場からのリアルな声〜
夜更かしが続いたあとに腰が重い、寝不足の日に限って腰が痛む…。そんな経験はありませんか?私は新潟市中央区で接骨院を開業して32年、腰痛の患者さんを診てきましたが、施術だけでは改善しにくいタイプの腰痛に「睡眠不足」が絡んでいるケースを何度も目の当たりにしてきました。
なぜ睡眠不足で腰が痛くなるのか
人間の体は眠っている間に修復と回復を行います。特に深い睡眠の時間帯には、筋肉や靭帯に微細な損傷があっても修復が進みます。逆に睡眠が短かったり浅いままだと、筋肉が硬直したまま朝を迎え、腰回りにこわばりが残ってしまうのです。
また、自律神経のバランスも影響します。睡眠不足が続くと交感神経が優位になり、常に体が緊張状態に。腰の筋肉も例外ではなく、血流が悪くなり「じんわり痛い」「朝から重い」という症状が現れやすくなります。

患者さんのエピソード
30代の男性会社員。夜遅くまでパソコンに向かい、平均睡眠は5時間。慢性的な腰痛で来院されました。施術で一時的に楽になるものの、週明けには再び痛みがぶり返す。生活習慣を詳しく伺うと「寝不足と休日の寝だめ」が繰り返されていました。睡眠時間を毎日6時間半以上に伸ばす工夫をしていただいたところ、施術の効果が長持ちし、数週間後には「朝の腰の重だるさがなくなった」と笑顔を見せてくれました。
一方、往診で伺った寝たきりの高齢者の方では「夜眠れないから日中うとうとする」とおっしゃる方が多いのですが、そのような生活リズムだと腰や背中の筋肉が常に張った状態になりやすく、体位変換のたびに痛みを訴えられます。睡眠の質を高める工夫を取り入れるだけでも、痛みの頻度が減るのを何度も経験しました。
スポーツ現場での経験
高校野球部でトレーナーをしていた時のこと。夏の合宿で睡眠時間が短い状態が続くと、腰痛を訴える選手が一気に増えました。筋トレや走り込みの疲労が回復しないまま翌日の練習に入るため、腰への負担が積み重なっていたのです。休養日を設けてしっかり睡眠をとらせると、腰の不調は驚くほど減りました。
スポーツ専門学校の授業でも学生に伝えているのは、「トレーニングは睡眠とセットで考えること」。頑張って練習しても、眠らなければ体は回復せず、結果的に腰や関節に痛みを抱える選手が多いのです。
睡眠不足が腰痛を悪化させるメカニズム
- 筋肉の修復不足
短時間睡眠では成長ホルモンの分泌が不十分となり、筋肉の修復が滞る。
- 血流の停滞
睡眠不足で交感神経が優位になると血管が収縮し、腰周囲の血流が低下。
- 姿勢の乱れ
睡眠不足で疲労がたまると日中の姿勢も崩れやすく、骨盤が前傾または後傾し腰部に負担が集中する。
- 痛みの感受性の増大
脳の疲労によって痛みを感じやすくなる。通常なら耐えられる刺激が痛みとして強く出てしまう。

腰痛予防のための睡眠習慣
① 睡眠時間の確保
理想は7時間前後。ただし無理に長く眠るよりも「毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる」ことを優先する。
② 寝る前のスマホ・PCは控える
ブルーライトは交感神経を刺激し、入眠を妨げる。最低でも30分前には画面を閉じる。
③ 枕と敷布団の調整
仰向けで腰が浮くようなら敷布団が硬すぎる可能性がある。腰痛予防には「腰と布団の間に手が軽く入る程度」が理想。枕も首に合っていないと寝返りが減り、腰への負担が増える。
④ 軽いストレッチ
寝る前に膝抱えストレッチや膝倒しストレッチを行うと、腰回りの緊張がほぐれ入眠しやすくなる。
⑤ 高齢者や運動不足の方は昼寝を味方に
夜眠れない場合、昼間に15〜20分の昼寝で疲労を調整する。ただし長すぎる昼寝は夜の不眠を招くので注意。
現場で感じる「睡眠と腰痛のリアルな関係」
体育館での高齢者運動教室で、運動前に「昨夜眠れなかった」という方は例外なく腰や背中の張りを訴えます。逆に「昨日はぐっすり眠れた」と笑顔で来られる方は動きもスムーズ。こうした小さな変化が積み重なり、日常生活の快適さを左右しているのです。
まとめ
腰痛の背景には「睡眠不足」という見落とされがちな要因が隠れていることが少なくありません。
- 筋肉の修復が間に合わない
- 血流が滞る
- 姿勢が崩れる
- 痛みに敏感になる

これらが重なって「朝から腰が痛い」「日中に腰が重だるい」といった不調が生じます。
私自身、臨床やスポーツ現場で「睡眠が整っただけで腰痛が改善した」ケースを数え切れないほど見てきました。施術や運動療法も大切ですが、土台にあるのはやはり睡眠です。
もし腰痛がなかなか改善しないと感じているなら、今日から睡眠習慣を見直してみてください。布団に入る時間を30分早めるだけでも、明日の腰の軽さが変わるかもしれません。新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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