疲労回復・パフォーマンス向上に効く栄養戦略とは?
こんにちは、たかやま接骨院、柔道整復師の高山です。
長年、スポーツ選手から高齢者まで幅広い方のコンディショニングに関わってきました。最近特に強く感じるのは──
「食べ方を変えるだけで、人の回復力は驚くほど変わる」
という事実です。
私自身、40代を過ぎた頃から朝の疲労感が抜けなくなり、仕事中にも集中力が切れることが増えてきました。運動不足かと思いきや、実は「栄養の質とバランス」が原因だったのです。
今回は、私の実体験と現場の知見を交えながら、「ビタミンとミネラル」の大切さ、そして“ミネラルバランス”という見逃されがちなテーマにも踏み込んでご紹介します。
なぜビタミン・ミネラルがコンディショニングに重要なのか?
コンディショニングとは?
「コンディショニング」とは、簡単にいえば「身体を最良の状態に整えること」。
疲労回復、パフォーマンス向上、睡眠の質、集中力の持続など、日常生活の質にも深く関わってきます。

栄養不足がパフォーマンスを下げる?
ある日のこと。高校野球部の生徒が「疲れが抜けません」と相談に来ました。
詳しく聞くと、菓子パンや野菜ジュース中心の食事。野菜ジュースはいいんだけど栄養素が偏っていたのです。
運動量はしっかりあっても、“体を支える土台”が不足していれば、回復も追いつきません。
現代人にありがちな「隠れ栄養不足」
コンビニ食や外食が多い方、糖質過多でビタミンB群を大量に消費してしまっている方──
実は「ちゃんと食べてるつもり」で、必要なビタミン・ミネラルが足りていない人が多いのです。
コンディショニングに役立つ主要ビタミンとその働き
ビタミンB群|エネルギーを作る立役者
炭水化物や脂肪、たんぱく質をエネルギーに変えるには、B群が不可欠。
不足すると「だるい」「集中できない」などの不調が出てきます。
私自身、夕方になるとまぶたが重くなりがちだったのが、B群を意識的に摂るようにしただけで頭がスッキリしてきました。
ビタミンC|ストレスと戦うビタミン
免疫力を高め、抗酸化作用で細胞の老化を防ぐビタミンC。
私は施術終了後に柑橘類やキウイを意識して食べるようにしています。
ビタミンD|骨と筋肉を強化
特に中高年に不足しやすく、筋力低下や骨密度の低下と関連。
最近では“日光浴の時間が足りない”人も多く、サプリメントで補うことも選択肢です。
ビタミンE|細胞を若々しく保つ
血流を改善し、抗酸化作用で身体の「サビ」を防ぐ役割。
ナッツ類、アボカド、植物油に多く含まれます。
見逃せない!コンディショニングに必要なミネラルとは
マグネシウム|筋肉の緊張とイライラをやわらげる
マグネシウムは300以上の酵素反応に関与。
私の経験では、睡眠の質が悪かった患者さんが、夕食後にマグネシウムを意識すると、朝の目覚めが変わってきた例もあります。
亜鉛|免疫と修復の主役
風邪を引きやすい、ケガが治りにくい…そんな人に多いのが亜鉛不足。
牡蠣、赤身肉、豆類に多く含まれます。
鉄|持久力と集中力を支える
鉄が不足すると酸素運搬が滞り、疲れやすくなります。特に女性やアスリートは要注意。
私が診たある高校生の話です。
バスケット部に所属する女子生徒で、「最近やたら疲れやすい」「ランニングするとすぐ動悸がする」「朝が起きられない」といった相談がありました。肌の色も少し青白く、当院に来た時から“何か違うな”と感じていました。
詳しく聞いてみると、朝食は抜きがちで、昼もパンやおにぎりだけ。肉や魚をあまり食べないとのこと。月経も始まっており、「これは鉄不足かもしれない」と直感しました。
その後、医療機関での血液検査をすすめたところ、やはりヘモグロビン値とフェリチン(貯蔵鉄)が低下していることがわかりました。
私は、鉄分を含むレバーや赤身肉を週に数回取り入れてもらい、併せて吸収効率のよい鉄サプリとビタミンCも一緒に摂るようアドバイスしました。
3週間後、再び来院した彼女の第一声が、「最近、朝の目覚めが全然ちがうんです!」
顔色にも赤みが戻り、部活後の疲労感も軽減したとのこと。
体力だけでなく、気分の落ち込みも減ってきたと話してくれました。
この時、あらためて思いました──
鉄分は「元気のスイッチ」。不足していると、エネルギーが湧かない。
鉄は単なる血液の材料ではなく、「酸素を運ぶ」「脳にエネルギーを届ける」など、全身の働きに関わる極めて重要なミネラルなのです。
カルシウム・リン|骨・筋肉・神経の伝達に
カルシウムとリンはセットで骨を作るだけでなく、神経の情報伝達にも不可欠です。
知っておきたい「ミネラルバランス」の重要性
バランスが崩れるとどうなる?
ミネラルは「一つだけ取ればいい」ものではありません。
例えば、ナトリウム(塩分)を取りすぎて、カリウムが不足すれば血圧が上がる。
カルシウムだけ大量に摂っても、マグネシウムが不足していれば筋肉がうまく動きません。

4つの主要ミネラルの関係性
- ナトリウム vs カリウム:水分・血圧調整のバランス
- カルシウム vs マグネシウム:筋収縮と弛緩のバランス
これらは“拮抗関係”とも呼ばれ、お互いに作用を調整し合っています。
スポーツ・発汗・ストレスがバランスを崩す
激しい運動、暑さによる発汗、慢性的なストレスで、ミネラルが体外へ排出されやすくなります。
理想のミネラルバランスを保つために
- 加工食品やジャンクフードを控える
- 海藻・ナッツ・雑穀など「自然なミネラル源」を取り入れる
- 水分補給に「ミネラルウォーター」や「経口補水液」を活用するのも◎

ビタミン・ミネラルを効果的に摂取する方法
食品から?サプリから?
基本は「食事から」がベストです。ただし、忙しい現代では不足しがちなので、必要に応じてサプリを取り入れても構いません。
吸収率を上げる組み合わせ
- ビタミンC+鉄:鉄の吸収率UP
- ビタミンD+カルシウム:骨の強化に
- マグネシウム+B6:神経と筋肉のリラックスに
タイミングも大切
- ビタミンB群は朝食時に
- マグネシウムは夕食後や就寝前
- ビタミンDは脂質と一緒に取ると吸収率UP
こんな人は要注意!ビタミン・ミネラル不足に陥りやすい
- 毎日疲れが抜けない
- 寝つきが悪く、イライラしやすい
- 外食やコンビニ食が多い
- スポーツをしていて汗をよくかく
- 年齢とともに食が細くなってきた

私の患者さんでも「なんとなく不調」が続く人ほど、栄養を見直すことで回復への第一歩を踏み出しています。
まとめ|栄養の「量」より「質とバランス」を
食べることは、体を作ること。
でも、それは「何を、どうバランスよく取るか」で決まります。
ビタミンとミネラルは、コンディショニングの“縁の下の力持ち”。
意識を変えるだけで、体は確実に応えてくれます。
あなたも今日から「栄養戦略」、始めてみませんか?
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市