〜臨床現場とスポーツ現場からの気づき〜
夜、布団に入ったときに「なんだか首が落ち着かない」と感じたり、朝起きたら「肩や首がこわばっている」という経験、誰にでもあるのではないでしょうか。私が新潟市中央区で接骨院を開業し32年、多くの患者さんに共通しているのが「枕の高さ」が首や肩の不調と大きく関係している、という点です。
枕が合わないとどうなるか?
枕は単なる寝具の一部ではありません。首(頸椎)の自然なカーブを支える役割を持っています。高さが合わない枕を使うと、頸椎のS字カーブが崩れ、首や肩に余計な緊張がかかります。
例えば、枕が高すぎるとあごが引かれすぎて首の後ろ側が詰まり、呼吸も浅くなりがち。逆に低すぎるとあごが上がり、首の前側が突っ張ってしまいます。その結果、朝の肩こり・頭痛・手のしびれといった症状が出てくるのです。

実際、交通事故でむち打ち症になった患者さんでも、治療の効果が出にくい人は「枕が合っていない」ことが多い。これは臨床で何度も経験してきました。
患者さんの体験談から学んだこと
ある50代の女性患者さん。デスクワーク歴が長く、肩こりと頭痛が慢性的でした。治療後は楽になるのに、翌日にはまた症状が戻る。話を聞くと「10年来同じ枕を使っている」とのこと。そこで、低めで首のカーブを支えるタイプの枕に変えていただきました。数週間後に再来院されたとき、「朝起きても頭痛がしなくなった」と笑顔で話されていたのを覚えています。
逆に、スポーツ現場でも似た経験があります。私が高校バスケットボール部でトレーナーをしていた頃、練習後に首が痛いと言う選手がいました。寝るときの枕を確認すると、ソファ用の大きなクッションを代用していたのです。首が常に曲がった状態で休んでいたため、練習後の疲労回復が遅れていました。専用の枕を使うようにアドバイスすると、翌週には「首の痛みが軽くなった」と報告を受けました。
高さは何センチが理想?
「理想の高さは何センチですか?」と患者さんからよく聞かれます。一般的には仰向けで横になった時に、額とあごのラインがほぼ水平になる高さが目安です。数値でいえば、男性で6〜8cm、女性で4〜6cm程度が平均的。ただし、これはあくまで目安であり、首の長さや肩幅、寝姿勢の癖によっても変わります。
例えば、肩幅が広い野球部の選手は低めの枕だと横向き寝で肩がつぶれてしまい、首が不自然に傾きます。逆に細身の女性が高い枕を使うと、首が前に押し出されて呼吸がしづらくなります。つまり「万人に合う高さは存在しない」ということです。
枕を見直すタイミング
- 朝起きたときに首や肩がこっている
- 夜中に何度も寝返りを打つ
- 起床時に頭痛や手のしびれがある
- 交通事故後の首の痛みが改善しにくい
こうしたサインがあれば、枕が合っていない可能性が高いと考えられます。

実際に試してみた調整法
私は患者さんに「まずはタオルで高さを調整してみましょう」と指導しています。バスタオルを折りたたんで首の下に敷き、1cm刻みで高さを変えて試す。これなら費用もかからず、自分の首に合う高さを探りやすいのです。
以前、スポーツ専門学校で授業をした際に、学生にこの方法を試させたところ、「寝転んだ瞬間に呼吸が楽になった」と驚く声が上がりました。若い人でも、枕の影響を実感できるのです。
✅ 枕の具体的な調整方法
① 基本の姿勢を確認
- 仰向けで寝る
後頭部・首・背中・お尻が自然に床につく姿勢で寝ます。
- この時に 額とあごが水平ラインに近ければ理想。
→ 額よりあごが上がっていれば枕が低すぎ、あごが引きすぎていたら高すぎです。
② タオルを使って高さを作る
- バスタオルを四つ折りにして首の下に敷きます。
- 1枚だと約1.5〜2cm。足りなければもう1枚重ねる。
- 1cm刻みで調整すると自分に合った高さを探しやすい。
③ 横向きで寝たときも確認
- 横向きで寝たとき、首と背骨が一直線になっているかを確認。
- 枕が低いと頭が下がり、肩や首が傾く。
- 高すぎると頭が持ち上がって耳や肩に圧迫感が出る。
- 鏡やスマホで横姿勢を撮ってみるとわかりやすいです。
④ 硬さの調整
- 硬すぎる枕 → 首や耳が圧迫される
- 柔らかすぎる枕 → 頭が沈み込みすぎて高さが安定しない
👉 タオルを中に入れて硬さを調整すると快適さがアップします。
⑤ 試す時間の目安
- 枕を敷いて 2〜3分寝てみる → 首や肩の力みがなく呼吸がしやすいかを確認
- 1日で決めず、数日間試してみるのがおすすめ。
⑥ 調整の目安サイン
- 朝起きて首や肩が軽い → 高さが合っている
- 起床時に首のこり・頭痛が出る → まだ合っていない可能性
- 横向きで肩がつぶれて痛い → 枕を1cm高くする
- 仰向けで喉が詰まる感じ → 枕を少し低くする
💡 実際のアドバイス例(臨床現場から)
- デスクワークの方 → 低め+首をしっかり支えるタオル枕が合うことが多い
- 肩幅が広いスポーツ選手 → 横向き用に少し高めに調整
- 高齢者 → 首のカーブが変わっていることが多いので、タオルでこまめに高さを変えると良い
👉 つまり「タオルで1cm刻みの高さ調整 → 仰向けと横向き両方で確認 → 数日試す」が最も簡単で確実な方法です。
高齢者の現場で感じたこと
高齢者の運動教室で「朝起きると腰より先に首が痛い」という声を多く聞きます。年齢とともに頸椎のカーブが変化し、昔合っていた枕が今は合わなくなっている。70代の男性が「孫に枕をプレゼントしてもらったけれど合わなくて…」と相談してきたこともあります。結局、その方にはタオル調整で高さを変える方法を提案しました。
枕を見直すことが健康投資になる
枕選びは単なる快眠グッズの話ではなく、首・肩・背中の健康維持に直結する投資です。合わない枕を使い続けて慢性的な肩こりや頭痛を抱えるより、自分に合う高さを見つける方がずっと効率的。睡眠の質が上がれば、日中の集中力や体の回復力も向上します。
新潟市で「接骨院」「整骨院」「整体」「交通事故治療」を探している方も、施術だけでなく日常の環境改善が大切。とくに枕は見落とされがちですが、体験を通じてその影響力を強く感じています。
枕だけでなく「敷布団」との関係も大事
枕の高さを一生懸命に調整しても「どうしてもしっくりこない」という患者さんがいます。そういうときによく確認してみると、実は敷布団やマットレスの沈み方が原因になっていることが多いのです。
柔らかい敷布団の場合
柔らかい布団では肩や腰が沈み込みやすく、首の角度も変わってしまいます。横向きで寝ると肩が沈みすぎて首が傾き、仰向けでは腰が落ちて首が反りやすくなる。つまり「枕が低すぎる」と感じやすい状態になるのです。
硬い敷布団の場合
逆に硬い布団は体が沈まないため、枕の高さがそのまま首に強く影響します。横向きでは肩が沈まないぶん、少し高めの枕が必要になるケースも多いです。
実際の臨床体験
新潟市内の50代女性の患者さん。「何種類も枕を試したけど首が痛い」と相談されました。自宅に伺った際、柔らかい低反発マットレスを使用されており、肩が大きく沈んでいました。そこでタオルを1枚追加して枕の高さを微調整すると、翌週には「朝の首こりが楽になった」と報告を受けました。
スポーツ現場でも同様で、硬めの体育館用マットで仮眠を取った選手は、普段より高い枕を使ったほうが首が安定した、というケースもあります。
調整のポイント
- 枕単体で考えず「敷布団+枕のセット」で評価する
- 柔らかい敷布団 → 枕はやや高めを意識
- 硬い敷布団 → 枕は低めを意識
- まずはタオルを1〜2枚追加・減らして1cm刻みで確認

👉 つまり「正しい枕の高さ」は敷布団との組み合わせで変わるということです。
もし枕を変えても首や肩の不調が改善しないなら、敷布団やマットレスも一度チェックしてみましょう。
まとめ
枕の高さは「眠りの快適さ」だけでなく「首や肩の不調」に大きく関わっています。
- 合わない枕は首のカーブを崩し、不調の原因になる
- 理想の高さは個人差が大きく、平均値にとらわれすぎないこと
- タオルで高さを調整して、自分に合った環境を探すのが実用的
- スポーツ選手や高齢者でも、枕調整で回復力が変わる
臨床現場でもスポーツ現場でも「枕を変えただけで楽になった」という事例は数多くあります。もし首や肩の不調に悩んでいるなら、一度ご自身の枕を見直してみてはいかがでしょうか。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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