「先生、最近ずっと首が重いんです。肩こりもひどくて、頭痛まで出てきました。」
ここ数年、接骨院でよく耳にする言葉です。患者さんの年齢は高校生から40代、50代の働き盛り世代までさまざまですが、共通しているのは スマホ首(ストレートネック)。
正直に言うと、私自身も油断するとすぐ首が重だるくなります。施術後にカルテ入力や講義の資料作成をしていると、つい画面に顔を近づけてしまう。夜、家内から「姿勢が崩れてるよ」と指摘されて、思わず苦笑いしたこともあります。職業柄、人の姿勢はすぐにわかるのに、自分のこととなると案外気づけないものです。
なぜ“スマホ首”になるのか
人間の頭は意外と重く、成人で4〜6kgほどあります。ボーリングの玉を首の骨で支えているようなものです。
自然な姿勢であれば、首の骨(頸椎)のS字カーブがその重さを分散してくれます。ところが、スマホをのぞき込むように下を向いた姿勢を続けると、このカーブが失われ「首がまっすぐ」になってしまう。これがストレートネックです。
高校野球部の選手を見ていても、練習後に自宅でスマホを長時間見ている子ほど肩や首に違和感を訴えるケースが多い。フォームに問題がないのにボールが伸びない選手がいて、姿勢をチェックすると見事な“スマホ首”➕巻き肩でした。小さな習慣がパフォーマンスに直結するのを実感します。
視線の高さを変えるだけで体は変わる
スマホ首を防ぐ最大のポイントは「視線を下げない」こと。実に単純ですが、意識するのとしないのとでは体への負担がまったく違います。
- スマホは胸の高さではなく、顔の高さまで持ち上げる
- ノートパソコンはスタンドや書籍で高さを調整
- デスクワークは椅子と机のバランスを整える
実際に接骨院の患者さんに「ノートPCの下に辞書を積んで高さを合わせてみてください」と伝えると、それだけで肩の重さが楽になったという報告をいただきます。
呼吸と姿勢の関係
スマホ首になると猫背が強まり巻き肩となり、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと酸素の取り込みが減り、疲れやすさや集中力の低下にもつながる。
体育館で高齢者向けの運動教室をしているときに、背筋を伸ばして視線を少し上げてもらうと「息が吸いやすい」と口々に言われます。姿勢を正すだけで胸郭が開き呼吸の質が変わるのは、現場で何度も体験してきました。
自分でできるチェック法
壁にかかと・お尻・肩をつけて立ち、後頭部も壁につけてみてください。もし頭が壁につかない場合は、すでに背中が丸くなり首が前に出ている証拠です。
実際に接骨院でこのテストをすると、若い学生でも「え、頭つかないんですか?」と驚くことが多い。自分では真っすぐ立っているつもりでも、客観的に見ると姿勢が崩れているんですね。
簡単セルフエクササイズ
1. 顎引き運動
椅子に座り、背筋を伸ばして顎を軽く引きます。首の後ろを意識して5秒キープ。10回ほど繰り返すだけで首の後ろがすっきりします。
2. 肩甲骨寄せ
両腕を後ろに軽く引き、肩甲骨を寄せるように動かす。デスクワークで固まりやすい背中を解放できます。
3. つぎ足歩き
一本線の上を歩くように、つま先と踵をくっつけながら歩く。バランス感覚も鍛えられ、首や肩の安定性にもプラスになります。
高校のバスケット部で練習前に取り入れると、姿勢が整いプレーが安定する選手が多かったのを今でも覚えています。
私自身の実体験
50歳を過ぎたあたりから、自分の体も正直になってきました。カルテ作業を長時間続けていたら夜に首が痛み、寝返りもうまく打てなかった。そんなとき、家内に「あなたも患者さんにストレッチ教えてるんだから、自分もやりなさいよ」と笑われたのがきっかけで、自分の生活習慣を見直しました。
それ以来、視線を上げて作業する工夫や、施術の合間に顎引き運動を取り入れるようにしたら、あの重だるさがずいぶん軽減しました。患者さんに「先生も同じなんですね」と言われると、ちょっと恥ずかしくもありますが、同じ経験をしているからこそ伝えられることもあると感じています。
まとめ
- スマホ首は放置すると肩こり・頭痛・集中力低下を引き起こす
- 予防の第一歩は「視線を下げない」こと
- 呼吸の深さや体の軽さにも直結する
- 自分で気づきにくいのでセルフチェックや簡単な運動を習慣にする
新潟市中央区で接骨院を開業して32年、交通事故のむちうちやスポーツ障害と並んで、スマホ首の相談は本当に増えています。肩こりや頭痛が気になる方は、放置せず早めにご相談ください。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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