「先生、練習を休むと不安なんです。休んだら下手になる気がして…」
これは高校野球部のキャプテンから聞いた言葉です。気持ちはわかります。私も若い頃は「休む=サボる」と思っていました。でも実際には、ただ寝て過ごす休養よりも「軽く体を動かして疲労を抜く」方が翌日のパフォーマンスが上がることが多い。これがいわゆる【アクティブレスト(積極的休養)】です。

アクティブレストとは?
アクティブレストとは「完全に体を休ませるのではなく、軽い運動を取り入れることで回復を促す休養法」を指します。
例えば、きつい試合や練習の翌日にウォーキングや軽いジョギング、ストレッチやヨガを行うこと。血流を良くして疲労物質の代謝を促し、筋肉や神経のリカバリーを助けます。
接骨院に通う社会人ランナーの患者さんも、フルマラソン後に「丸一日寝ていたら翌日さらに体が重くなった」と話していました。逆に軽く歩いたり、温浴とストレッチを組み合わせた人は「疲れが早く抜けた」と実感していました。
なぜアクティブレストが必要なのか?
血流の改善
軽い運動で筋肉がポンプの役割を果たし、血流がスムーズになります。これにより、筋肉に溜まった疲労物質(乳酸など)が効率よく処理されます。
自律神経の調整
完全に寝て過ごすと副交感神経が優位になりすぎて体がだるくなることもあります。軽い運動は交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにします。
心のリフレッシュ
「休んでいるのに罪悪感がある」アスリートや学生は多いです。軽く体を動かすことで“休んでいるのに動いている”安心感が得られます。
実際の現場での体験談
- 高校野球部の選手
夏の大会前、練習量が増えて疲労が抜けにくい時期。試合前日にランニングを全くやめたら、翌日の動きが鈍くなりました。その後は「前日は20分だけ軽いジョグ+ストレッチ」を導入。体が軽くなり、結果的にケガ予防にもつながりました。
- 高齢者スポーツ教室
参加者の中には「膝が痛いから休む」と言って1週間まったく動かさなかった方がいました。再開したときには筋力が落ち、かえって痛みが増してしまった。逆に「痛みの出ない範囲で歩く」よう指導した方は筋力を維持し、痛みも軽くなっていきました。
- 接骨院の患者さん
デスクワーク中心の40代男性。休日に家でゴロゴロしていたら、休んだはずなのに月曜には体が重くなっていました。そこで休日に軽いウォーキングを提案。次の週「仕事の疲れが前より取れるようになった」と話してくれました。
どんな運動がアクティブレストに適している?
- ウォーキング:20〜30分、呼吸が乱れない程度のペース
- 軽いジョギング:普段の6割程度の強度
- ストレッチ・ヨガ:全身を大きく動かす、深い呼吸と合わせる
- 水中運動:浮力があるため関節に負担が少なく、高齢者にも有効
- サイクリング:ギアを軽めにして長めにこぐ
大切なのは「気持ちいい」と感じる程度でやめること。ハーハーゼーゼー息が上がるようなトレーニングはアクティブレストではなく、ただの練習になってしまいます。
アクティブレストを取り入れるときの注意点
- 前日の疲労度に応じて強度を下げる
- 痛みがある部位には無理をしない
- 水分補給と栄養補給を合わせて行う
- 睡眠の質を確保する
スポーツトレーナー専門学校で学生に伝えるのは「アクティブレストは自己満足ではなく、回復のための計画」だということ。休養を“練習の一部”として扱う感覚が大切です。
まとめ 休むことも練習のうち
アクティブレストはアスリートだけでなく、一般の人にも役立つ考え方です。デスクワークで疲れた体をリセットするのにも向いています。
完全に休むより、軽く動いて血流を良くする。これだけで翌日の体の軽さは全く違う。
私自身、往診や接骨院の仕事で一日中動き回った後でも、夜にゆったりと歩くと翌朝の体のだるさがなくなります。
休む=止まるではなく、休む=整える。
アクティブレストは「体を回復させながら動きの質を高める」賢い休養法です。
👉 接骨院では、アスリートから高齢者まで、その人に合ったアクティブレストの方法をアドバイスしています。疲労回復やケガ予防に悩んでいる方は、気軽にご相談ください。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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