― 年齢とともに落ちる代謝を上げる3つの生活習慣 ―
カロリーよりも大切な“代謝”の話
「先生、最近いくら食事に気をつけても体重が落ちないんですよ」
接骨院でそうつぶやく50代の患者さんの顔を、私は何人見ただろう。
食事量は増えていないのに太る。昔より疲れやすい。手足が冷たい。
その原因、ほぼ間違いなく「代謝の低下」だ。
20代の頃は、寝ているだけでも勝手に脂肪が燃えていた。
しかし40代以降は、筋肉量の減少やホルモンの変化、睡眠の質の低下で、体の“エンジン”である基礎代謝が少しずつ錆びついていく。
この錆びを取るのが、今日のテーマだ。
1.「冷え」は代謝のブレーキ
冬になると、女性だけでなく男性の患者さんからも「足が氷みたい」と相談を受ける。
冷えは血流を悪くし、細胞の働きを鈍らせる。つまり、燃料(栄養)が届かず、代謝が落ちる。
先日、往診先の寝たきりの80代女性に、湯たんぽと軽い足首運動を習慣にしてもらった。
1週間後、「夜中に足がポカポカしてよく眠れた」と嬉しそうに話してくれた。
冷え対策に“運動”を組み合わせると、血流がまるでストーブのように体を内側から温めてくれる。
ポイントは「体を動かして温める」こと。
電気毛布も悪くないが、自分の筋肉で熱を生むほうが圧倒的に強い。
日中に軽くウォーキングするだけでも、夜の冷えはかなり改善する。
2.年齢とともに減る筋肉を守って“燃やせる体”をつくる
代謝を上げる最大の近道は、筋肉を増やすこと。
筋肉は体内でエネルギーを燃やす“工場”だ。工場が少なければ、燃料(脂肪)はたまる一方。
以前、高校バスケ部のトレーナーをしていた頃、夏の合宿で選手たちが毎日汗だくになって筋トレしていた。
中には「先生、体重増えたんですけど」と焦る選手もいた。
しかしそれは脂肪ではなく筋肉。
秋の試合シーズンには、彼の動きが一段と軽くなっていた。筋肉量が増えると、体が「勝手に燃える」ようになるのだ。
一般の人なら、スクワット10回×2セット、週3回で十分。
座ったまま足首を上げ下げするだけでも、ふくらはぎの筋ポンプが活性化し血流がアップ。
地味でも“続ける”ことで代謝は確実に上がっていく。
3.睡眠ホルモン「メラトニン」を味方につける
代謝アップの隠れた主役、それが「メラトニン」。
このホルモンは夜に分泌され、体を休ませるだけでなく、
自律神経を整え、成長ホルモンの分泌をサポートしてくれる。
つまり、眠っている間に“代謝の再起動スイッチ”を押してくれるのだ。
夜遅くまでスマホを見ていると、ブルーライトがメラトニンの分泌を抑えてしまう。
「寝る1時間前はスマホを置いて、照明を少し落とす」――
これだけで睡眠の質は変わる。
私は夜、寝る前に湯船に10分だけ浸かる。
体温が一度上がり、その後スッと下がるタイミングで眠気がくる。
まるでスイッチが入ったように、翌朝の体の軽さが違う。
質の良い睡眠が、代謝を地味に底上げしてくれるのだ。
代謝を助ける食材&飲み物リスト
栄養学の視点からも、“代謝の味方”を台所に揃えておこう。
- たんぱく質源:鶏むね肉、卵、大豆、魚(特にサバやサンマ)
- ビタミンB群:玄米、豚肉、にんにく
- 鉄・亜鉛:赤身肉、レバー、牡蠣
- 代謝を刺激する飲み物:緑茶、ブラックコーヒー、ショウガ湯
特にショウガは、血流を促し体温を上げる。
冷え性の患者さんに「朝の味噌汁にすりおろしショウガをひとさじ」とすすめたところ、「午前中の手先の冷えが楽になった」と喜ばれた。
ただし、カフェインは夕方以降は控えめに。
せっかくのメラトニンの出番を邪魔してしまう。
まとめ:代謝は「整える」もの
代謝を上げるには、特別なサプリや激しい運動より、
“生活リズムの整備”がいちばんの近道だ。
冷えを防ぐ、筋肉を動かす、しっかり眠る。
この3つが揃うだけで、体は驚くほど軽くなる。
ある70代の男性患者さんは、朝の散歩を始めて2か月で、
「冬でも足が冷えなくなった」と笑顔で話してくれた。
代謝は年齢とともに落ちるものではあるが、
“諦めるか・味方につけるか”は自分次第だ。
明日からは「カロリーを減らす」より「代謝を上げる」を意識してみよう。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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