「先生、またズキズキしてきました…」
当院でよく聞くのが、この偏頭痛の訴えです。光や音に敏感になったり、吐き気まで出たりして、日常生活に大きな影響を与える厄介な相手。私自身、学生時代の試験期間や睡眠不足が続いたときに一度経験したことがありますが、あのこめかみのドクンドクンは本当に辛いものです。
偏頭痛は完全に防ぐことは難しいですが、悪化を防ぐ工夫や、発作を軽く済ませるための生活習慣は確実にあります。今回は接骨院の現場や、スポーツ選手・高齢者への指導経験を交えながら、偏頭痛と上手に付き合う方法をまとめてみました。
偏頭痛とは?ざっくり知っておきたい基礎
偏頭痛は、脳の血管や神経の働きが複雑に絡み合って起こります。典型的には片側のこめかみにズキズキした痛みが出て、数時間から数日続くこともあります。
「ただの頭痛」と一緒にされがちですが、緊張型頭痛(肩や首のこりからくる締めつけ感)とは性質が異なります。
接骨院に来る患者さんでも「頭痛=肩こりのせい」と思い込んでいる方が多いのですが、話を聞くと光や音に敏感で吐き気もある…これは典型的な偏頭痛の特徴。治療のアプローチも変わってきます。
悪化させないための生活習慣
1. 睡眠リズムを整える
寝不足はもちろん、寝すぎも偏頭痛の引き金になります。
往診で伺う高齢者の方が「休日に昼まで寝ていたら頭がガンガンする」と話されていました。これも典型的なパターン。大切なのは「同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」こと。
2. カフェインとの付き合い方
コーヒーや緑茶のカフェインは一時的に血管を収縮させ、頭痛を和らげることがあります。ただし摂りすぎると逆にリバウンド頭痛を招くことも。
専門学校の授業で学生に話すと「試験勉強でコーヒー3杯飲んだら逆に頭が痛くなった」というエピソードが必ず出てきます。量とタイミングをコントロールすることが大切なんです。
3. 食事の工夫
チョコレート、赤ワイン、チーズなどは偏頭痛を誘発する食品として有名です。実際、接骨院の患者さんで「バレンタインにチョコを食べすぎて頭痛が悪化した」と笑い話にしていた方がいました。
一方で、マグネシウムを多く含む食材(ナッツ類、ほうれん草、バナナなど)は神経の興奮を抑える働きがあるため、取り入れると良いとされています。
4. 水分をこまめに
脱水は血流に影響し、偏頭痛を悪化させます。部活動で走り込みをしている高校生が「練習後に頭痛が強くなる」と訴えたことがありました。話を聞くと水分補給が足りていない。練習中だけでなく、普段の生活でもこまめな水分補給が大切です。
5. 光と音への工夫
強い光や大きな音が偏頭痛を悪化させることがあります。患者さんの中には「スーパーの照明がつらい」「子どものピアノ練習が頭に響く」と言う方も。
そんな時はサングラスや遮光カーテン、耳栓といった環境調整が有効です。体育館での運動教室でも、照明が強すぎると高齢者の方が「頭が重い」と訴えるケースがありました。
運動で偏頭痛を和らげる?
「頭痛の時に運動なんて…」と思うかもしれません。実際、発作中の激しい運動は痛みを強めるのでNGです。
ただ、日常的な軽い運動は発作の頻度を減らす効果が期待されています。ウォーキングやストレッチ、ヨガのようなリズム運動は血流や自律神経を整えます。
実際に、部活の学生に「ジョギングを週2回、リラックス目的で取り入れてみなさい」と伝えたところ、「頭痛の回数が減った気がする」と言っていました。ポイントは“無理なく気持ちいい範囲で動く”ことです。
私が患者さんに勧めている簡単ストレッチ
・首回し
ゆっくり大きく首を回す。肩こりからくる緊張型頭痛との見分けにも役立つ。
- 肩甲骨寄せ
両肘を後ろに引き、肩甲骨を寄せる。血流が良くなり首肩が軽くなる。
- 深呼吸ストレッチ
両手を頭上に伸ばしながら大きく息を吸い、吐きながら脱力。自律神経を整える効果がある。
体育館で高齢者にこの3つを教えると「頭がスッキリした」と喜ばれます。簡単なので日常に取り入れやすいですよ。
偏頭痛を悪化させない1日ルーティン
「気をつけることが多すぎて覚えられない!」という声も聞きます。
そこで、接骨院で患者さんにお伝えしている、朝・昼・夜の3ステップの工夫を紹介します。
全部を一気にやらなくても大丈夫。どれか一つから始めるだけでも、頭痛の重さが変わることがあります。
🌅 朝:1日のスタートを整える
- 起床時間は一定に
休日でも同じ時間に起きるようにすると、頭痛の出やすさがぐっと変わります。
患者さんからも「日曜に昼まで寝なくなったら頭痛が減った」と報告を受けています。
- コップ1杯の水を飲む
朝は体が軽い脱水状態。水分を入れて血流を整えておくと安心です。
- 軽いストレッチ
首回しや肩甲骨寄せを数回。たった1分でも、仕事や学校に行く前の“頭の重さ”が減ります。
🌞 昼:頭痛を悪化させない働き方
- こまめな水分補給
コーヒーだけでなく、ミネラルウォーターや麦茶も取り入れる。脱水を防ぐだけで頭痛の予防になります。
- 5分の休憩ストレッチ
デスクワークで固まった首や肩をほぐす。
私が専門学校の授業で学生に「昼休みに5分だけ深呼吸ストレッチをしてみて」と伝えたら、午後の眠気も頭痛も減ったと喜んでいました。
- 食事の工夫
チョコレートやインスタント食品を避け、野菜や果物をしっかり摂る。偏頭痛を誘発しにくい昼食を心がけると安心です。
🌙 夜:発作を翌日に持ち越さない
- ぬるめのお風呂でリラックス
熱すぎるお湯は逆に血管を広げて頭痛を悪化させることがあります。38〜40℃のお湯に浸かりながら深呼吸するのがベスト。
- スマホ・パソコンは早めに切り上げ
ブルーライトは自律神経を乱して睡眠を妨げます。患者さんの中にも「寝る前にSNSを見ていると翌朝の頭痛が強い」と話す方が多いんです。
- 寝る前の水分補給
コップ半分の水を飲むと夜間の脱水を防ぎます。朝の頭痛が和らいだと喜んでくれた患者さんもいました。
ルーティンを続けるコツ
完璧にやろうとすると三日坊主になりがち。
「朝は水だけ」「昼はストレッチだけ」「夜はスマホ時間を減らす」など、ひとつ選んで習慣にするのがコツです。
接骨院でも「全部やれなくてもOK。できたら褒めてあげてください」と伝えています。
体験談から見えること
通院している40代女性の患者さんは、仕事のストレスで偏頭痛が頻発していました。睡眠のリズムを整え、昼休みに5分のストレッチを入れるように指導したところ、「午後の頭痛が軽くなった」とのこと。
また、スポーツ専門学校の学生が「試合前日に徹夜で勉強したら偏頭痛が出て動けなくなった」と相談に来たこともあります。やはり生活習慣と頭痛は密接につながっていると実感します。
偏頭痛と上手につき合うために
偏頭痛は「治す」というより「悪化させない工夫」を積み重ねることが大切です。睡眠、食事、水分、環境、そして軽い運動。小さな工夫が発作の頻度や強さを変えていきます。
「今日から全部やらなきゃ!」と気負わず、まずは一つから試してみてください。
例えば「寝る時間を固定する」だけでも違いますし、「夕方の10分散歩」を続けるだけでも変化が出ることがあります。
まとめ:生活リズムを味方にする
偏頭痛は、薬だけに頼らず日常の工夫で軽くできることがたくさんあります。
朝は起床と水分、昼は休憩と食事、夜はリラックスと睡眠。
この流れを意識するだけで、「ズキズキに振り回されない1日」が増えていきます。
「今日から全部!」と気合を入れる必要はありません。
まずは朝のコップ1杯の水から、始めてみませんか?新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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