「先生、最近眠りが浅くて、朝から体が重いんです」
接骨院でこんな声を聞くことは少なくありません。腰痛や肩こりで来院された方でも、話を掘り下げると背景に“自律神経の乱れ”が隠れているケースが目立ちます。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、体の疲れが取れにくく、集中力や気持ちの安定も失われます。私が高校サッカー部のトレーナーをしていたときも、試合前に極度の緊張でお腹を壊す選手や、眠れずにパフォーマンスが落ちる選手を見てきました。
今回は、自律神経を日常のリズムで守るために意識したいポイントをお伝えします。
朝の光でリズムをリセットする
人の体は本来、朝に光を浴びることで体内時計が整う仕組みになっています。ところが、夜型の生活が続いたり、カーテンを閉めたまま起床すると、このリズムがずれやすい。
私自身も若い頃、深夜まで原稿を書き続けて朝はギリギリに起きる生活をしていた時期がありました。その頃は頭も体もすっきりせず、患者さんに施術をしていても集中が途切れることがありました。
高齢者の健康体操教室では「朝、外を少し歩くだけで夜の寝つきが変わった」と喜ぶ声をよく聞きます。わざわざ運動を頑張らなくても、朝日を浴びるだけで自律神経はリセットされるのです。
食事のリズムが自律神経を支える
食事は単に栄養補給だけでなく、自律神経の安定にも深く関わります。特に朝食は体のエンジンをかけるスイッチ。炭水化物、タンパク質、野菜をバランスよく摂ることで血糖値の変動が緩やかになり、心身が安定します。
スポーツトレーナー専門学校の授業で「朝食を抜いて登校した日と、しっかり食べた日の集中力を比べてみよう」と実験したことがあります。結果は一目瞭然で、朝食を抜いたグループは講義中に眠気が強まり、質問への反応も鈍くなりました。
腸内環境を整える発酵食品や食物繊維を取り入れると、便通や気分の安定にもつながることが研究でも示されています。
呼吸と運動で副交感神経を引き出す
長時間のデスクワークや勉強で肩に力が入り、息が浅くなると交感神経が優位になりすぎます。その状態では体が常に“戦闘モード”にあり、休息に入れません。
私が体育館で指導している高齢者体操教室では、深呼吸や椅子に座ったストレッチを取り入れると、皆さんの表情が一気にやわらぎます。「夜もぐっすり眠れるようになった」と言われたときは、改めて呼吸の力を実感しました。
運動選手でも、試合前に軽いジョギングや体幹トレーニングを取り入れることで、緊張が和らぎ集中力が高まるケースを多く見てきました。ポイントは「頑張りすぎない」こと。軽めの運動が副交感神経を刺激し、心身を整えます。
スマホとの付き合い方を見直す
夜遅くまでスマホの画面を見ていると、ブルーライトが脳を刺激し交感神経が活性化。眠りが浅くなり、翌日の体調に影響します。
高校野球部の選手で「夜は布団に入ってもスマホを見てしまい、寝不足で練習に集中できない」と相談してきた子がいました。ルールとして「寝る1時間前はスマホを預ける」ようにしたところ、数週間後には表情も動きも変わり、練習効率が格段に上がりました。
私自身も寝る前にスマホを触るのをやめたら、翌朝の体の軽さが全く違います。小さな習慣ですが、積み重ねが大きな違いを生みます。
休息を「予定」として入れる
多くの人が「休む時間」を余った時間に任せてしまいます。しかし、それでは結局休めずに1日が終わってしまう。自律神経を守るためには、休養を“予定”として組み込む意識が欠かせません。
往診先で出会う寝たきりの方からも「若い頃に無理を重ねすぎた」と振り返る声をよく聞きます。働き盛りの今だからこそ、休養を後回しにせず、計画的にとることが将来の自分を助けるのだと思います。
まとめ:自律神経を整えるのは「毎日の小さなリズム」
自律神経の乱れは、特別な病気や大きなストレスだけでなく、生活リズムのちょっとした乱れからも始まります。
朝日を浴びる、バランスよく食べる、深呼吸する、スマホを控える、休息を予定に入れる。どれも難しいことではありません。
患者さんや選手、生徒たちを見ていて強く思うのは「派手な方法より、続けられる習慣こそが一番の予防策」ということ。
今日からできる小さな工夫が、自律神経を守り、心も体も安定した毎日につながります。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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