3,競技力向上のための筋トレメニュー|基本種目から競技別アプローチまで完全解説!
「筋トレをしているのに試合で力を出せない」
「もっとスピードやパワーを上げたい」
そう感じているあなたに必要なのは、「競技力に直結する筋トレメニュー」です。
筋トレには、見た目の筋肉をつけるためだけでなく、実戦で通用する“力を出す”体をつくる目的があります。本記事では、あらゆる競技に共通する「基本の5種目」から、競技別のおすすめトレーニング、自重とウェイトの違いまで、わかりやすく徹底解説します。
全身のパワーを引き出す「基本5種目」
まずは、どのスポーツにも応用できる「全身の筋力・安定性・瞬発力」を鍛える5種目を紹介します。
これらは筋トレ界の“王道”ともいえる種目で、土台を築くのに最適です。
☘️スクワット|すべてのパワーの源は脚にあり
スクワットは、下半身全体を鍛える種目です。特に大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋(お尻)など、ジャンプ・走る・踏ん張るなどの動作に関わる筋肉に強く効きます。
- 地面をしっかり蹴る力が身につく
- 下半身の安定性が向上し、ケガの予防にもなる
- バランス能力が向上し、動きの質が変わる

スポーツに必要な「力の出発点」は脚。スクワットを極めることで、全身のパフォーマンスが一段階アップします。
【基本のスクワットのやり方】
- 足を肩幅に開く
つま先はやや外側に向けます。
- 背筋をまっすぐに伸ばす
目線は前、胸を張り、手は前に伸ばすか胸の前でクロスします。
- お尻を後ろに引くようにしてしゃがむ
イスに座るイメージで、膝がつま先より前に出ないよう注意。
- 太ももが床と平行になるまで下げる
- ゆっくり立ち上がる
ポイント
- 息を吸いながらしゃがみ、吐きながら立ち上がる
- 背中が丸まらないように注意
- 膝とつま先の向きをそろえる
10回×2〜3セットを目安に行いましょう。フォームが最優先です。最初は鏡の前で確認しながらがおすすめです。
☘️ベンチプレス|押し出す力を強くする
ベンチプレスは、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋など、上半身の“押す力”を鍛える種目です。
- ボールを投げる、相手を押す動作に有効
- 上半身のパワーと安定性をつけられる
- 特にラグビー・柔道・格闘技系に効果的

バーベルにこだわらず、ダンベルや腕立て伏せでも代用可能。フォームを守れば、初心者にもおすすめの種目です。
【基本のベンチプレスのやり方】
- ベンチに仰向けで寝る
足は床にしっかりつけ、肩甲骨を軽く寄せて胸を張る。
- バーを肩幅より少し広めに握る
- バーをラックから外して、胸の上に構える
- ゆっくり胸の下あたりまで下ろす
肘が肩のラインより下になるまで。
- 息を吐きながらバーを押し上げる
肘を伸ばしきらず、胸を張ったまま戻す。
ポイント
- バーは胸ではなく「目の位置」からスタート
- 背中はアーチを描き、お尻はベンチにつけたまま
- 無理せず、補助者がいると安心
8〜12回×2〜3セットが目安です。フォームを守り、軽めの重量からスタートしましょう。
☘️デッドリフト|全身を連動させる“引く”王様種目
背中・体幹・脚を同時に鍛えるのがデッドリフトです。
- 地面を蹴って力を出す「連動性」を高める
- 背筋・お尻・ハムストリングスの強化に最適
- 姿勢改善や腰回りの安定にもつながる

競技力向上に不可欠な「体の軸」を鍛えるのに最適です。フォームが難しいので、鏡で確認しながら無理のない重さで始めましょう。
【デッドリフトの基本のやり方】
- 足を腰幅に開いてバーの前に立つ
バーは足の中央(くるぶしの真上)にくるように立ちます。
- 膝を軽く曲げ、股関節を折ってバーを握る
背中を丸めず、腰を反らせすぎず、背筋をまっすぐキープ。
手幅は肩幅程度。オーバーグリップ(手の甲が前)がおすすめ。
- 胸を張って顔は正面を見る
- かかとで床を押すように立ち上がる
背中を丸めず、バーは足に沿わせるようにまっすぐ上げる。
- 膝と股関節が伸びきったら、フィニッシュ
体を反らしすぎず、真っすぐ立つ。
- バーをゆっくり元の位置まで下ろす
下ろすときも、背中を丸めず、お尻を後ろに引きながら。
ポイント
- 背中は常にまっすぐ(猫背厳禁)
- 腰だけでなく、脚とお尻で引き上げる意識を持つ
- 初心者は軽めのダンベルやフォームチェックから始めると安全
5〜8回×2〜3セットが目安です。フォームを覚えるまでは無理に重い重量を使わず、動きの習得を優先しましょう。
☘️チンニング(懸垂)|自分の体を引き上げる力
自重トレーニングの中でも難易度が高いチンニング(懸垂)は、背中や腕の“引く力”を強化します。
- 広背筋・上腕二頭筋・前腕を同時に強化
- 引き寄せる動作、バランス保持に役立つ
- サッカーやバスケ、格闘技の競技者にもおすすめ

できない場合は、足を台に置いたり、ゴムバンドで補助して行うと◎。1回からでもOK。継続すれば力がつきます。
【チンニング(懸垂)の基本のやり方】
- バーを肩幅より少し広めに握る
手のひらは前向き(オーバーハンドグリップ)にします。
- 腕をまっすぐ伸ばして体をぶら下げる
肩はすくめず、軽く下げてリラックス。
- 胸を張って、あごをバーの上まで引き上げる
背中の筋肉を意識し、反動を使わずにゆっくりと。
- ゆっくり体を下ろす
腕を伸ばしきる手前まで戻し、再び引き上げる。
ポイント
- 肘を引き寄せるイメージで行うと、背中に効きやすい
- 初心者は、足台・アシストバンド・斜め懸垂からスタート
- 腕ではなく「背中」で体を引く意識が大切
できる回数から始めて、徐々に回数やセットを増やしていきましょう。背中、腕、体幹を一度に鍛えられる、非常に効率の良いトレーニングです。
☘️プランク系体幹トレ|“揺れない軸”を作る最重要種目
体幹トレーニングの代表格「プランク」は、スポーツ動作のブレを防ぐための基本中の基本。
- 腹筋・背筋・骨盤周りを安定させる
- 全身の連動性が向上する
- ジャンプ、走行、接触プレーすべての基盤となる

肘付き、横向き、片足バランスなど、さまざまなバリエーションで負荷を調整可能。毎日続けやすいのも魅力です。
【プランクの基本のやり方】
- うつ伏せになり、肘とつま先で体を支える
肘は肩の真下、前腕は床につける。
- 背筋をまっすぐに伸ばす
お尻が上がったり、腰が落ちたりしないように注意。
- 目線は床、首はリラックス
- お腹とお尻に力を入れて30秒キープ
慣れてきたら60秒以上、複数セット行う。
バリエーション(より効果を高めるために)
- サイドプランク:横向きになり、片肘・片足で体を支える。腹斜筋に効果的。
- プランク+脚上げ:交互に片脚を少し持ち上げて、体幹と臀部に負荷をプラス。
- プランクウォーク:肘→手→肘と、前腕と手を交互に動かして体幹を刺激。
ポイント
- 呼吸は止めず、ゆっくり自然に行う
- 腰が反ると腰痛の原因になるため、常に姿勢を意識する
- 毎日継続しやすく、体幹強化・姿勢改善・ケガ予防に効果的
プランクは“動かない筋トレ”ですが、全身の安定性を高めるとても重要な体幹トレです。フォームを守って、無理のない範囲で続けましょう。
競技別おすすめ筋トレ例
競技ごとに、重視すべき動きと筋力があります。以下に代表的なスポーツ別の筋トレ例をご紹介します。
サッカー選手
- 主に下半身の安定性と方向転換、当たりの強さが必要
- おすすめ:ヒップスラスト、片足スクワット、ラテラルランジ、プランク
陸上競技(短距離)
- スタートダッシュと爆発力が鍵
- おすすめ:スクワットジャンプ、クリーン、スプリントドリル、デッドリフト
バスケットボール
- ジャンプ力・空中での安定性・リバウンド動作が重要
- おすすめ:ボックスジャンプ、ジャンピングスクワット、チンニング、体幹トレ
ラグビー・アメリカンフットボール
- 当たり負けしない全身の強さとスピードが必須
- おすすめ:ベンチプレス、スクワット、ファーマーズウォーク、チンニング
自重トレーニングとフリーウェイトの使い分け
自重トレーニングの特徴
- 自分の体重を利用(腕立て伏せ、スクワット、プランクなど)
- 安全性が高く、初心者や成長期の子どもに最適
- 場所を選ばず、継続しやすい
フリーウェイトの特徴
- ダンベルやバーベルなどを使用
- 負荷を調整でき、筋力アップに直結
- 正しいフォームが必要なので、中〜上級者向け
ポイント:初心者はまず自重で「動きと姿勢」を習得し、慣れてきたらフリーウェイトでパワーアップを目指すのが理想です。
まとめ|筋トレは「競技力に直結させる視点」が重要
筋トレは筋肉をつけるだけではなく、競技力を上げるための「戦略的トレーニングツール」です。
- 全身のパワーを引き出す5種目を土台に
- 競技別に求められる動きに対応したメニューを組む
- 自重とフリーウェイトを使い分けて、安全かつ効果的に継続

この3つを意識してトレーニングを行えば、どんなスポーツでも「本番で強い身体」を作ることができます。