「今日もなんだか疲れたなぁ…」
そう感じる日はありませんか?
目はスマホでギラギラ、肩はカチカチ、頭はぐるぐる。
そんなとき、私は無理にストレッチもしませんし、瞑想アプリを立ち上げることもありません。
代わりにやるのは、たった2つ。
「音楽」と「香り」のスイッチを入れること。
これだけで、不思議と肩の力がふっと抜ける。
心がじわっと緩んで、呼吸もゆっくりになるんです。
🎧 音楽が“体のスイッチ”を切り替える
以前、往診で訪れていた寝たきりのご高齢の患者さんが、音楽に反応してふと笑ったことがありました。
その方は普段ほとんど表情が変わらなかったのに、昔の歌謡曲を流したら口ずさみ始めたんです。
思わず私は、
「あっ、声出ましたよ…!」と付き添いの娘さんと顔を見合わせたものです。
音には、記憶と感情にアクセスする力がある。
これは神経科学の研究でも明らかにされていて、特定のメロディが自律神経や脳の扁桃体に作用し、緊張をほどく働きがあると言われています(※出典:UCLA Brain Research Institute, 2019)。

🧠 では、どんな音楽が“ゆるめる”のか?
リラックス系BGMといえば、ヒーリング音やクラシック、ピアノソロ…
でも、これって合う人と合わない人がいる。
体育館で行っている高齢者向け健康教室では、いわゆる“癒し音楽”より、昭和の歌謡曲や童謡の方が断然盛り上がります。
「北国の春」が流れた瞬間に、ストレッチの手が止まって、口が勝手に動いてしまう(笑)
つまり、「自分の好きな音」「懐かしいと感じる音」が、最も身体を緩めるのです。

現役の高校野球部の選手たちにしても同じで、ストレッチの時間に落ち着いたインストのジャズピアノやアコースティックギターを流すと、体の動きが滑らかになるんですよ。
「集中できるっス!」って真顔で言われました。
🌿 香りが“呼吸の質”を変える
香りはもっとダイレクトです。
香りの成分は嗅神経を通じて脳の視床下部に届き、自律神経のバランスを整えたり、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を抑えたりすることがわかっています(※参照:Journal of Neuroimmunology, 2016年発表の臨床試験)。

私が使っているのは、アロマディフューザーでも、オイルでもなく、ハンカチに1滴垂らしただけの精油です。
● 朝の往診前 → レモン or グレープフルーツでシャキッと
● 昼の施術後 → ラベンダーでスーッとクールダウン
● 夜のブログ執筆前 → ベルガモットで“頭のスイッチ”をゆるめる
あの香りがふわっと鼻を抜けた瞬間、呼吸が深くなるんですよね。
“香りは肺に入るマッサージ”だと私は思っています。
👃 香りに敏感すぎる人は?
実際、香りが苦手な方もいらっしゃいます。
患者さんにも、「アロマって頭が痛くなる…」という人は少なくない。
そんなとき私は、無臭の“呼吸時間”を勧めています。
たとえば「音楽はオフ、照明を少し落とし、目を閉じて1分だけ深呼吸」。
この1分の積み重ねが、知らず知らずのうちに脳疲労のデトックスになる。
音と香りは「足し算」ではなく、「引き算」のバランスが肝心なんです。
🏀 高校バスケ部のエピソード:音と香りでパフォーマンスUP?
ある高校バスケ部の夏合宿。
試合前にラベンダーの香りを軽く流したら、監督が「眠くなるからやめてくれ!」と一喝(笑)
ところがその後、選手が「逆に集中できた」とポツリ。
心拍数が下がり、過剰な緊張が抜けたんでしょう。
やっぱり香りと音の使い方ひとつで、コンディションは左右されるんだな、と改めて実感しました。
🛋️ 忙しい人こそ、音と香りの“切り替えスイッチ”を持とう
通勤中にイヤホンで「お気に入りの1曲」
夜寝る前に「オレンジスイートの香り」
昼休みに「自然音で深呼吸」

これだけで、頭の中の騒がしさが少し静まります。
身体の緊張もほどけて、ぐるぐる思考から抜け出せる。
特別なスキルも器具もいりません。
“自分だけのリズム”を整えること。それが日々のセルフケアの原点です。
🧭 最後にひとこと:整える、ではなく「緩める」
現代は「頑張る方法」ばかりが溢れています。
でも、実は「うまく休む」「ふっと緩める」ことの方が、よっぽど難しい。
だからこそ、私は声を大にして言いたい。
「音と香りには、あなたをゆるめるチカラがある」
たとえ忙しくても、たった1分でもいい。
お気に入りのメロディーと香りが、あなたを少しだけやさしくしてくれますように。

📝この記事のまとめ
- 音楽は感情と記憶を刺激し、心と体を緩める力がある
- 香りは自律神経に直接作用し、呼吸を深めてくれる
- 好きな音、懐かしい香りを選ぶことが最大のコツ
- 忙しい人ほど「小さなリセット時間」が必要
- 音と香りは、“無理しないケア”の最強ツール
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市