「明日の試合、大丈夫かな…」
前日なのに、眠れない夜を過ごしたことはありませんか?
頭の中では試合のイメージがぐるぐる。
体はクタクタなのに、布団に入ると目が冴える――。
そんな経験、スポーツ選手なら一度はあるはずです。
「緊張して眠れないのは仕方ない」と思われがちですが、
実は“体の整え方”次第で睡眠の質は大きく変わります。
そのカギが、ぬる湯(37〜39℃)の入浴です。
熱いお湯より、ぬるいお湯がアスリート向きな理由
試合前日、ついつい「熱めの風呂でスッキリしたい!」と思う気持ち、よく分かります。
でも、42℃以上の熱いお湯は交感神経を刺激してしまい、
体は“戦闘モード”のままになってしまうんです。
つまり、風呂上がりに「スッキリしたのに眠れない」現象はこれ。
一方で、ぬるめの湯にゆっくり浸かると副交感神経が働き出し、
呼吸が深くなり、脈がゆるみ、体が「おやすみモード」に入ります。
私は高校バスケットボール部のトレーナーをしていたとき、
試合前日は選手全員にこう伝えていました。
「湯船でリラックスできない選手は、まだ体が“戦闘中”だよ。」
ぬる湯に浸かることは、明日に備えて「緊張のスイッチを切り、リラックスのスイッチを入れる練習」なんです。
「ぬる湯入浴」で体を“試合に勝てる状態”に戻す3ステップ
① 入る前にコップ1杯の水
スポーツ選手は汗をかきやすく、入浴中も脱水になりやすい。
試合前日のコンディション調整で、最もやってはいけないのは「水分不足」。
入る前に常温の水をコップ1杯飲むだけで、血流が安定します。
② ぬる湯に10〜15分
肩までしっかり浸かる必要はありません。
みぞおちまでの半身浴でもOK。
お湯の温度は37〜39℃。
10〜15分かけて、体の“芯”まで温めていきます。
私は湯船の中で「呼吸のリズム」を意識します。
4秒吸って、6秒吐く。
それだけで心拍が落ち着き、眠気のスイッチが自然に入ってくるのを感じます。
③ 入浴後30分以内にベッドへ
入浴後、体温は一度上がってからゆっくり下がります。
その“下がり始め”のタイミングが眠気のピーク。
試合前日は、この時間を逃さずに寝るのがベストです。
実際の現場で起きた変化
私がトレーナーとして帯同していた高校野球チームでは、
夏の大会前になると、選手の半分が「緊張で眠れません」と言っていました。
そこで、前日の夜に“ぬる湯+深呼吸+照明を落とす”をルーティン化。
すると、翌朝の体温・脈拍が明らかに安定し、
「朝から体が軽い」「試合中の集中が続いた」と口をそろえるようになりました。
体を冷やしたまま寝ると、筋肉が固くなり、
“ウォーミングアップで体が重い”という現象が起こります。
ぬる湯で体をリラックスさせて寝るだけで、
翌朝のウォームアップがスムーズになり、ケガのリスクも減るんです。
湯船の中で「試合の反省」をしないこと!
これ、意外に多いんです。
「昨日のプレー、あれミスだったな…」
「明日打てるかな…」
風呂で反省会が始まるパターン。
でも、それをすると脳が“再び交感神経モード”に突入。
せっかくのぬる湯が台無しです。
私は選手たちにこう伝えていました。
「風呂では考え事禁止!考えるのは“湯気の形”だけ!」
湯気をぼーっと見てると、だんだんどうでもよくなってきます(笑)。
この“どうでもいい時間”こそ、脳が休んでいる証拠。
入浴剤で回復力をもうひと押し!
最近は、アスリート向けの入浴剤も多いですね。
炭酸系(血流アップ)やエプソムソルト(マグネシウム補給)など、
目的に合わせて選ぶとさらに効果的です。
たとえば、筋肉疲労が強い日は炭酸ガス系。
心が落ち着かない日はラベンダー系アロマ。
ただし、試合前日は刺激が強すぎるもの(メントール系)は避けましょう。
リラックスより「シャキッ」として眠れなくなります。
🧂エプソムソルトとは?
名前に「ソルト(塩)」とありますが、
実は塩ではなく「硫酸マグネシウム(MgSO₄)」というミネラル化合物です。
海水や鉱泉に含まれる天然ミネラルの一種で、
17世紀にイギリスのエプソム地方の温泉から発見されたことが名前の由来です。
💪エプソムソルトの主成分「マグネシウム」の働き
マグネシウムは、筋肉・神経・血管の働きを整える非常に重要なミネラルです。
スポーツ現場でも、筋肉のけいれん予防・疲労回復・リラックスのために注目されています。
特に入浴に使うことで――
- 皮膚を通してマグネシウムが吸収される
- 血流が改善し、筋肉の緊張がゆるむ
- 自律神経が落ち着く(副交感神経が優位になる)
- 肌の角質がやわらぎ、スベスベになる
という効果が期待できます。
🏊♂️アスリートや疲れが抜けにくい人におすすめな理由
スポーツ選手は練習で汗を多くかくため、体内のマグネシウムを消耗しがちです。
その結果、
・筋肉の張りが取れにくい
・足がつりやすい
・寝ても疲れが残る
といった不調が起こりやすくなります。
エプソムソルトを使うと、入浴しながらマグネシウムを“皮膚から補う”ことができるので、
筋肉のリラックスと疲労回復を同時にサポートしてくれます。
🧴使い方(家庭でできる簡単エプソムソルト入浴)
1️⃣ お湯の温度:38〜40℃(ぬるめ)
2️⃣ 浴槽200Lに対してエプソムソルト150〜200g(カップ1〜1.5杯)
3️⃣ 10〜15分ゆっくり浸かるだけ
お風呂上がりは体が芯から温まり、筋肉がゆるむ感覚が分かると思います。
また、香り付きのタイプ(ラベンダーやシトラスなど)もあり、リラックス効果がより高まります。
⚠️注意点
- 発汗が多くなるため、入浴前後の水分補給を忘れずに。
- 塩分ではないので、浴槽や風呂釜を傷めにくいのもメリット。
- ただし、皮膚が敏感な方や小さなお子さんは、最初は少なめの量(半分程度)から試しましょう。
エプソムソルトは“湯船でできるミネラル補給”
エプソムソルトは、
✅ 筋肉をゆるめる
✅ 疲労をやわらげる
✅ 自律神経を整える
✅ 肌をすべすべにする
といった、アスリートにも一般の方にも嬉しい“万能温浴ミネラル”。
試合前日のぬる湯にプラスすることで、
まさに「整う入浴」が完成します。
入浴後の仕上げは「ストレッチとプロテイン」
お風呂で血流を良くしたあとは、軽いストレッチで筋肉を整えます。
特に太もも・ふくらはぎ・肩甲骨まわりを中心に。
そして、入浴30分以内にタンパク質補給!
これはトレーナー時代、口を酸っぱくして伝えていました。
コンビニで買えるしゃけおにぎり、ツナサンド、サラダチキン、ゆで卵。
このあたりが黄金コンビ。
筋肉修復の材料をきちんと入れておくと、翌朝の疲れの抜け方がまるで違います。
睡眠=最高のトレーニング
結局、試合に勝つために必要なのは「体を休める技術」。
どれだけ練習しても、休養の質が悪ければパフォーマンスは上がりません。
アスリートにとっての入浴は、
“体を温めてリセットし、眠るためのスイッチを入れる行為”です。
試合前日は、熱湯ではなくぬる湯で。
筋肉ではなく、神経を整える時間に使いましょう。
最後に──お風呂で勝つ選手は、翌日も強い。
私は30年以上、スポーツ現場を見てきてこう思います。
湯船にゆったり浸かっている選手ほど、試合で焦らない。
お風呂の中で“勝ちたい”を一度手放した選手ほど、
本番で自然体になれるんです。
練習で体を追い込んだら、湯で心をゆるめる。
それが、本当のアスリートの休養力です。
🌙まとめ
- 試合前日は37〜39℃のぬる湯で10〜15分
- 入浴後30分以内に就寝
- 湯船では“考え事禁止”で脳を休ませる
- 炭酸系やアロマ系入浴剤で血流・睡眠力アップ
明日の自分を信じる準備は、湯船の中から始まります。
さあ、今日もお風呂で整えて、勝てる睡眠を。
新潟市中央区長潟3-2-2 たかやま接骨院 高山 慶市
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